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赤岳山荘 馬刺し

  • 2012/08/19(日) 17:03:56

南八ヶ岳を縦走してきた。
今回は赤岳〜横岳〜硫黄岳〜夏沢峠に下りて本沢温泉〜稲子湯と
南八ヶ岳の峰々と温泉三昧のトレッキング。
初日のアプローチはのんびりだ。南八ヶ岳の主峰赤岳への登山口で
ある美濃戸の山小屋で一泊し、翌日早朝から赤岳にアタックだ。

さて、山の話をするつもりはない。登山が流行っているようでガイドブック
も沢山あるから関心があればご覧あれ(※)。

そんなことより「馬刺し」である。初日に宿泊した赤岳山荘の晩御飯の
メイン料理だ。お皿にたっぷり、ご飯のおかずだ。酒の肴にもなるが。
馬刺しといったら九州と思っていたが信州の郷土料理でもあったのだ。
美味い。たんぱくでくさみもなくやわらかい。唐辛子味噌で食べる。
しつこくないのでぺろり。連れの御嬢がおなかいっぱいだといって半分
残すのでそれもぺろり。

また食べたい。しかし赤岳山荘にはそうそう行けない。
馬刺しはその辺の九州居酒屋で食べたこともあるが、美味しい
とおもったことがない。赤岳山荘の馬刺しは遠慮なく美味かった。

翌日、御嬢が黒目が大きくなった気がする!と言って喜んでいたが、
馬刺しにそんな美容効果はないと思う。単なる眠た目だろう。

※はじめて八ヶ岳に臨もうという方には
『別冊PEAKS 八ヶ岳トレッキングガイド』
http://www.amazon.co.jp/dp/4777922855/

がおすすめです。
ちゃんと地図も買ってね。
『山と高原地図 32. 八ヶ岳 蓼科・美ヶ原・霧ヶ峰2012』
www.amazon.co.jp/dp/4398758313


はじめての方には先ずは北八ヶ岳がおすすめ。
アプローチも楽で難易度も疲労度も低く、山というか森を堪能できる。
高見石、白駒池周辺の鬱蒼とした処女林のふところは万一雨になって
も素敵なファンタジーの森だ(Robert Holdstockの『Mythago Wood』を
読み返したくなる)。北八ヶ岳の天狗岳に登れば、次は必ず南八ヶ岳
に行きたくなるだろう。渋ノ湯や本沢温泉も是非コースに入れたい。
ちなみに以下は今回立寄った本沢温泉の露天風呂。
最高の露天風呂だが、ここもそうそう来れない。
混浴で登山道からも丸見えなので女性は水着が多い。
御嬢に無断なので目隠し。


以上

海程 485号

  • 2012/08/19(日) 14:28:35

残暑お見舞い申し上げます。

海程 485号(2012年8・9月号)は海隆賞・海程賞・海程新人賞
が掲載された。以下、受賞作品抄及び候補作品抄、の抄。
敬称略。

■第三十六回海隆賞

鈴木八駛郎

 流れ来し塔婆しずめの火を焚きぬ

 この先は墓で止まる虫の闇

中原梓

 致死量の冬蜂が鳴く夜明け前

 蜂の毒まわりて母よ軒深く

野間口千賀

 むかし鷗だった青年と坐し雪天

 からす瓜宇宙の隙に火を点ける

■第四十八回海程賞

下山田禮子

 きさらぎは横顔ばかりトッカータ

 養花天句読点なき暮しぶり

 万緑やいまだ一徹父の墓

 パラソルをゆっくり回す想念も

 知性とは曲がりやすくて雲の峰

田中亜美

 ギターピック失くせし灰の水曜日

 仰向けに撃たれてをりぬ夏草や

 殉教は背をひらかれし鰻かな

 病めるときも富めるときも萍

 薔薇窓に冬晴つづく物理学

野憲子

 笑ふたなと風船売りの振り返る

 春の雷たまたま隣り合つただけ

 風吹けば風の真言なめくぢり

 蠍座の尾が入りけり燧灘

 コスモスやときには風のおもちや箱

■第四十八回海程賞 候補作品

篠田悦子

 鳥雲に翼になれぬ腕重し

 断層の静けさで草青む峡

京武久美

 冬の鳩脚明るめば夢つつく

 春ゆうぐれ明日へ尖るは胸の屑

稲葉千尋

 村の僧乾布摩擦の白きこと

佐孝石画

 花筏途切れてからの今日はじまる

■第四十七回海程新人賞

中内亮玄

 ブランコは夕焼けを拒みきれない

 瓦礫という美しきもの少年餓え

 冬の雷夜が砕けて雪となり

佐藤詠子

 老梅や生き延びしこと詫びている

 桜の木杭打つように生きてこそ

 故郷に挿木するごと復興市

 沈黙が転がされている稲埃

 酷暑来る花に火の粉の降るごとく

 現への鍵穴一つ夏三日月

 錆びぬよう海は無心に冬北斗

 秋霜や記憶に布をかけて朝

小川楓子

 銀紙にみなふれてゆく冬帽子

 話短しふうと君ふうと蝶

 鼓笛隊あをきトマトの夜へ止まる

 冬眠のとてもきれいね蛙の手

■第四十七回海程新人賞 候補作品

小宮豊和

 達磨売る大き目玉の男かな

豊原清明

 渡り鳥ヨハネ暗がりの旅人

赤崎ゆういち

 梅雨の抽斗海どっと塧れ出す

伊藤歩

 陽のあたる牧場の暗い桜かな

伊藤巌

 白日に風花のかげ晩夏かな

らふ亜沙弥

 わたくしに鳴いてどうする赤蛙

山下つばさ

 万緑が夜の厠を支配する

 剥き出しの母性で掴む流れ星

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と、ここまでは海程だが、
中内亮玄さんは第30回現代俳句協会新人賞も受賞。
同じく受賞の柏柳明子さんの「銀河系」、かなりぐっときてます。
以下に好きな句抄出。

■第30回現代俳句協会新人賞

「ゲルニカ」 抄     中内亮玄

 蜩は僕らを刻むように鳴き

 桜散る余白をすべて手離して

 木漏れ日や買い物がてら飛び降りる

 孔雀啼く虹を激しく咀嚼して

 横顔を擦りむいている冬の風


「銀河系」 抄     柏柳明子

 鳥雲に解法降りてきたりけり

 春の雪縄文人の話かな

 てのひらのやはらか春の星ほどに

 桜貝拾ふからだのメロディに

 野遊びの同じ名前に振り向かれ

 しやぼん玉平均律の震へかな

 はつてふの竪琴の音をこぼしをり

 一本は転校生の桜かな

 神様のかんたんな顔新樹風

 日曜日レースカーテン越しの街

 蝉の声網のごとくに広ごれり

 緋のダリアジャズシンガーの揮発する

 銀河系ピアノのペダル踏む素足

 新涼や自分の影の上歩く

 てのひらの隕石の匂ひ秋の昼

 レコードの針の戻りし良夜かな
 
 烏瓜ぱちんと心療内科かな

 まつすぐにルージュを引きて山眠る
 
 寝転べば金管楽器となる寒夜

 調弦のやうに降り出し十二月

全句は以下ご参照
http://www.gendaihaiku.gr.jp/news2.cgi?a=view&id=2012072001

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で、ひさしぶりの拙句。


海程483〜485

485
 ひとびとの凹みに欠片春震るる
 かくれんぼ夏のからくり動きだす
○丸顔の剥製虚無の寝汗かく


 街角のキリスト背け黄砂ふる
 口笛の口して終わり夏の夢

484
○路地裏に思想がありて花散らす
 ひら仮名の駅名錆びてリラ馨る
 草いきれちいさな誓い立ちあがる


 春心は昨日着ていたポケットに
 蜘蛛の巣を金鍍金して待伏せる

483
 痛みあり胸に木の芽のはぜる時
 遠くまでよく見える丘受難節
○内裏雛ト書き通りに堪えておる


 東風やめば寝息の裏に雨を聴く
 囀りを調律したの空色に

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484号の路地裏に、投句は「思想があれば」だったが
「思想がありて」に添削いただいた。
因果関係を説明するような言葉使いは意識して避けよ、
と反省。

以上