ツイート

Books reminder, 吉本隆明から中村光夫へ

  • 2012/06/23(土) 15:13:03

寄り道が寄り道を誘い目的地を忘れて彷徨う。
迷子になって眺める新たな光景、迷子になりたい、積極的に迷う幸福。
しかし、そんな光景はいつも素敵とは限らない。
つまらない小道に迷い込むとこれは体力を消耗する。相当消耗する。
さっさとおうちへ帰ろう。帰れない。

結論としては、吉本隆明氏については、やはり、今や、
誰かの要約を読めば良い、となった。
『共同幻想論』だけはつらくてもちゃんと読んでおこう。

で、今手元には中村光夫の『風俗小説論』がある。
これはちゃんと読もう。

先ごろ、吉本隆明が他界してから、ずいぶんうろうろしてくたびれてきた。
これまで吉本隆明については本人の著書をつうじてではなく、
例えば『闘争のエチカ』(蓮實と柄谷の対談。)など主に吉本隆明に批判的
な対談や鼎談をつうじてその概要をとらえてきたが、3/16この機会にその著作
にも目を通してみよう、と思ったのだ。

『言語にとって美とは何か』
蔵書していてもめくる程度であったから改めて読み込もう。と思ったが
今や誰かの要約を読めば良いのではないかという思いが強いせいか、
まったく頭に入ってこない。

『共同幻想論』
中上健次の後書があるという文庫版を古本で調達しこれも電車本で進行中。

『ハイ・イメージ論』の機↓供↓掘閉垢ぁ)
図書館で借りてきた。80年代の後半に『海燕』掲載の記事をまとめたもの
だ。冒頭「映像の終わりから」、瀕死・仮死状態での自己客体視の体験に
コンピュータ・グラフィックスの映像体験を近づけて語り始める。
みるみる脳に疲労物質が溢れてくる。体系的な論文ではなく、随筆。
ぱらぱらして一息に靴里△箸きに飛ぶ。曰く「ハイ・イメージ論のモチーフ
は、いちばんわかりやすくいえば、『共同幻想論』の「現在」版を展開する
ことだったといっていい」。おお、そうかこれは分かりやすい。
こうしてこの本はこれ以上読まないことにした。

『日本人は思想したか』吉本 隆明、梅原 猛、中沢 新一
気の合う碩学たちの井戸端会議。へー。ふーん。とばし読み。

つながりで、
中沢新一『チベットのモーツァルト』(解説が吉本隆明)
中沢新一の密教行者修行本。中沢新一も吉本隆明に負けない詩人である。
そういえば『切片曲線論』は美しい印象が残っているが。。

もういいや、とおもいつつ、
『遊』1982年9月特大号
特集:日本する 吉本隆明 VS 松岡正剛
むむむ、ノリが軽い。80年代をすごく感じさせる。すべてがファッショナブル。
しかし、つまらん。
松岡正剛つながりで、http://1000ya.isis.ne.jp/0089-2.html

さらに
『饗宴供戞<批評にとって作品とは何か>
全くかみ合わない吉本氏と蓮實氏の対談。
小林秀雄はすでに中村光夫の批判によって超えられている、
中村光夫のほうがはるかに重要な批評家じゃないか、という蓮實
の見解を聞いて、「ほう・・・・。そこのところをもう少し詳しく聞かせて
くれませんか」、「本気かね?」と苛立ちをかくせない吉本。
そもそもこの対談は蓮實氏による吉本近著『悲劇の解読』への
コテンパンな批評からはじまる。また、よっぽど『悲劇の解読』には
頭にきたとみえて、磯田光一ともこの本について対談している。

というわけで
『饗宴機<吉本隆明>野生の悲劇への欲望 磯田光一
『悲劇の解読』吉本隆明
あたりをうろつくことになるわけで、『悲劇の解読』は序文でもうすでに
疲労感を感じて中身は読まずに図書館へ返却。

蓮實氏が吉本氏を許せないのは、例えば「作家は悲劇を演ずることが
できるだけだ」とか言う際にも、ここで作家とは何か、悲劇とは何かの
定義もなしにつらつらと話を進めるところ。吉本氏のモノの書き方が
一般に流布する作家なり悲劇なりのイメージに依りかかっていて、
さらに吉本氏の考え方の前提の説明もなしでたらたら所見が述べられ
るので、難解ということば使いをしながら、要するにわけが分からん!
と蓮實氏怒る。
吉本氏のやり方前提は分かっているけどね。その説明がない!と。
つまり、吉本氏の文芸批評のやり方は、作品と作者の間の深い関係
の解明だと。それが当然のごとく説明もなしに、作品を何だと思って
いるんだ!
そんなに作者を語りたいのなら、しかも作者の個人幻想を侵食している
共同幻想を語りたいのなら、他所でやってくれ!と。
だんだん私の不満表明になってきたが、そんなにやっきにならないで、
理屈っぽいポエムとでも思っておけばよいのに。

で、上の二冊はさっさと通り過ぎて
『風俗小説論』中村光夫である。これはたのしみである。


以上

Books reminder, Why Kerouac Matters

  • 2012/06/16(土) 16:58:25

Books reminder, Why Kerouac Matters


『ケルアックに学べ』 
「オン・ザ・ロード」を読み解く6つのレッスン

ジョン・リーランド 著 訳:今井 栄一

John Leland
"Why Kerouac Matters The Lessons of On The Road
(They're Not What You Think)"

2008年初版。こんな本が出ていたんだ。知らなかった。
タイトルも帯も一見して寒さに凍える文句ばかりで、編集者の
センスを疑う、というと一方的なので言い方を変えれば私とは
全く趣味の合わないまず間違いなく碌でもない本だろうと、
手にとってみたものの、恥ずかしくなって書棚に戻した。
が、ここのところKerouacに再び関心を寄せる者としては、
やはり気になって、帰宅してamazonで買ってみた。
読んだ。
つらっかたけど読み終えたのでせっかくだからメモする。
つらかった、というのはくだらなくてくじけそうだったけど
がんばって読了したということである。

この本は、On the Road を読めないけど読んだつもりに
なりたい人が読めばよい。
KerouacとOn the road のマニアである著者が、
They're Not What You Think とわざわざ言っているところから
してそうだが、どうせおまえらOn The Road なんて読まねーだろ
とたかをくくって読者を小ばかにして書いた趣味と金儲けの本だ
(と思う)。

だいいち何も新しいことはかかれていない、
On the Roadを読めばわかることばかりだからだ。
ビート、スクエアに対しするヒップ、反体制のスピリット等々の
On the RoadやKerouacやBeatgenerationにまとわりつく
既存イメージとは裏腹に本書はどうしようもないヤツらの不安
でバカでシリアスでけっして明るくない告白であり日記であり
内容だけで読めばつらい本だが、そんなこと読めば分かる。

On the Roadに関心があるひとはOn the Roadを読もう。

以上
-----
恥ずかしくなった帯の宣伝文句
・「迷える男性諸君!ビジネス書を捨てよ、旅に出よう。」
・『ニューヨークタイムズ』の人気記者が綴る、全米ロングセラーの
まったく新しい「自分発見」本
・今、なぜ、ケルアックなのか?
・お前はいったい何者なのか?何のために生きているんだ?
女の子たちと夢とその他すべて・・・ジャックならどうしただろう?
・ニートの終わりと新しいビートのすすめ。
・『オン・ザ・ロード』より面白い『オン・ザ・ロード』解説。
・物語のウラに隠された、もっとすごい実話が今ここで蘇る。

そういえばこの前のカンヌでとうとう『On the Road』が上映
されたみたいです。これまでだれも映画化してこなかった。
だってOn the Roadに忠実にあればつまらないもの。

Books reminder, Book of Haikus, Jack Kerouac

  • 2012/06/03(日) 17:35:21

Book of Haikus (Poets, Penguin) Jack Kerouac
http://www.amazon.co.jp/dp/014200264X/

ジャック・ケルアックの俳句の本だ。
日本語訳は出ていない。この機会に読んでみようと思いamazonである。
ついでにこれも。
Scattered Poems (Pocket Poets) Jack Kerouac
http://www.amazon.co.jp/gp/product/0872860647/

先日の『海程』創刊50周年パーティに参加した折に隣りあわせた大先輩から
今年のテーマはJack Kerouacのhaikuなんだよ、Kerouacは知っているかね
と言われてやや興奮した。奇遇にもKerouacはOn The Roadで学生時分に
最も親しんだ作家なのだ。

何年か前に池澤夏樹個人編集の世界文学全集で一番に新訳(青山 南)が
刊行されたが、それでもKerouacやBeat Generationを語る人びとは少ない。
まさか『海程』50周年で400人が集うパーティで隣りあって初めてことばを
交わす先輩からJack Kerouacが出てくるとは!

ビートで俳句といえばGary Snyderが2004年正岡子規国際俳句賞を受賞
している。ゲーリー・スナイダーはぜんぜん読んでいないし、具体的に何の
功績でもって受賞されたのかは知らないが、
Kerouacのthe dharma bumsのJaphy RyderはGary Snyderである。山頂で
俳句をひねったりするのだが、ステロタイプな俳句感でつまらなかった気がする。
この機会に改めてKerouacのBeatGenerationの俳句へ目を向けてみようと思う。

KerouacやBeatGeneration周辺のブックガイド
----------
・路上 福田 稔 訳
(鈴木英人のカバーイラストが懐かしい)
http://www.amazon.co.jp/dp/4309460062/

・オン・ザ・ロード (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-1)
 ジャック・ケルアック (著), 青山 南 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/dp/4309709419/
(青山南訳で文庫もあるのね)
http://www.amazon.co.jp/dp/4309463347/

・On The Road
(原書で是非)
http://www.amazon.co.jp/dp/0140042598/

・ジャック・ケルアック詩集 (思潮社 アメリカ現代詩共同訳詩シリーズ)
 (英文と日本語訳双方が掲載されています)
http://www.amazon.co.jp/dp/478372735X/

・ビート読本―ビート・ジェネレーション 60年代アメリカン・カルチャーへのパ
スポート (現代詩手帖特集版)
http://www.amazon.co.jp/dp/4783727422/

・ケルアックと仲間たち―ビート・アルバム 編者フレッド・W. マクダラー、
諏訪 優ほか翻訳、思潮社
 (ビート・ジェネレーションに関連するエッセイや記事など)
http://www.amazon.co.jp/dp/4783724156/

・ビート・ヴィジョン 編者アーサー&キット ナイト、 金関 寿夫ほか翻訳
 思潮社 (ビート・ジェネレーションたちの手紙やインタビューなど)
http://www.amazon.co.jp/dp/4783724148/

・地下街の人びと(翻訳)新潮社
 新訳で文庫になっているようです
http://www.amazon.co.jp/dp/4102076115

・禅ヒッピー(The Dharma Bumsの翻訳、太陽社、小原広忠 訳)
http://www.amazon.co.jp/dp/4884680227/
タイトルも「ザ・ダルマ・バムズ」として新訳で講談社文芸文庫も。
http://www.amazon.co.jp/dp/4061984896/

・裸のランチ W・S・バロウズ 鮎川信夫 訳
http://www.amazon.co.jp/dp/4309201857/

・ギンズバーグ詩集 アレン・ギンズバーグ 諏訪優 訳
http://www.amazon.co.jp/dp/4783724210/

・Howl and Other Poems (Pocket-Poets) Allen Ginsberg
http://www.amazon.co.jp/dp/0872860175/

・ビート世代の人生と文学 J・タイテル 大橋健三郎・村山淳彦 訳
http://www.readingood.com/?pid=43883182

・ホーボー-アメリカの放浪者たち-晶文社セレクション
 フレデリック-フェイエッド
http://www.amazon.co.jp/dp/4794946589/

・ドゥルーズの思想 ドゥルーズ・パルネ 田村毅 訳
(彼の英米文学に関する言説は、ビートに、ベイトソンに、接続してゆきます。
手元の本は大修館書店版ですが新訳で文庫にもなってます)
http://www.amazon.co.jp/dp/4309463665/

・精神と自然―生きた世界の認識論-グレゴリー・ベイトソン 佐藤 良明 訳
(その思想は、ビートに通じるものがあります)
http://www.amazon.co.jp/dp/4783510741/

・ラバーソウルの弾みかた  佐藤 良明 岩波書店 
(ビート・ジェネレーション以降60年代カウンターカルチャーほかについて)
http://www.amazon.co.jp/dp/4000024108/

・STUDIOVOICE 1992年7月号 特集☆路上にて
http://www.garitto.com/product/11910694

・STUDIOVOICE 1995年2月号 特集☆吠える
http://www.garitto.com/product/16027333

・銀星倶楽部 (7) 特集バロウズ plus ビートニク ペヨトル工房
http://www.amazon.co.jp/dp/4893420682

・The Jack Kerouac Collection
3枚組みCDセット。ジャズやブルースにのせてケルアックの肉声で
ポエトリーリーディングしてます。特にCD2はタイトルが「Blues And Haikus」
http://www.amazon.co.jp/dp/B0000032RQ/

・夜の果てへの旅
 L=F・セリーヌ 著、高坂和彦 訳
 これも、on the roadです。
 これについては生田耕作 訳よりも高坂和彦 訳のほうがその文体を
 活かせていると聞いて国書刊行会版にした気がします。
http://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336026699/


以上

FAF ANNEX 開催!

  • 2012/06/02(土) 11:26:27

FAF ANNEX 開催!

FAF2012/富士電子音響芸術祭(Fuji Acousmatic music Festival)
俺的通称ピラミッド・キャンプ、が今年も秋に開催される。
それのプレイベントFAF ANNEXが7/28(土)東京落合の銭湯の地下
で密かにとりおこなわれるとのことだ。

シャンプーとかタオルも忘れないようにね!

FAF ANNEX
http://spacevision.biz/faf/index.html

-----
30個のスピーカーによる立体音響システム・アクースモニウムを使った日本初
にして前代未聞の大型フェスティバル、FAF(富士電子音響芸術祭)
第3回を秋に控えた今年、本フェスティバル初のプレイベントを東京にラウンチします!
FAF出演陣の若手アーティスト4名に加え、trorez、そして今回特別に4chライブを
引っ提げてのDUB-Russellを迎えた充実のラインナップ。
レーザー・アーティストTaiheichangの彩る豊かな多色照明の中で異色の音響空間
が出現します。(渡辺愛)

2012.07.28(sat) 19:00 open 19:30 start
会場:落合soup(新宿区上落合3-9-10 松の湯B1)
入場料:¥1800+1drink
出演:高野大夢・永野隆満・畑木あゆみ・渡辺愛・trorez・
DUB-Russell・taiheychang (laser lighting)
-----