ツイート

Books reminder, 『阿部完市句集』 砂小屋書房

  • 2010/11/28(日) 23:41:28

阿部完市(1928年1月25日〜2009年2月19日)
昨年他界したアベカンの本を読む。

『阿部完市句集』 砂小屋書房
 『軽のやまめ』(全篇)/自選句集『無帽』『証』(未完)『絵本の空』『にもつは絵馬』
 『春日朝歌』『純白諸事』『鶏論』(未完)『その後の・集』
 /評論/解説 高野ムツオ・飯島晴子・岡井 隆・金子兜太

webや雑誌で沢山の引用を目にしてきたが一冊の本としては初めて手にした。
自選句集に評論、解説付きで私のような初心者には大変ありがたい本だ。

アベカンを知らない人には、
「大変面白い現代詩人があるので是非読んだらいい」 と紹介したい。
「たまたま五七五の韻律を好む現代詩である。これを俳句といわないなら、
 それでもよい。」 と。


たとえばこんな、つぶやきのごときコンプレックス。


  看護婦睡る永くかすれた航海して

  サイダーや沈没船の中の昼
 
  少年来る無心に充分に刺すために
  
  奇妙に明るい時間衛兵ふやしている

  海へ少女朝を射ち抜く弾丸となつて

  兵士眠る街中に鳥棲む時間

  かなかなのころされにいくものがたり

  町への略図にある三日月と白いバス

  ローソクもつてみんなはなれてゆきむほん

  妻を緑雨にいれて朝食をまつなり

  紫匂いしむさしのくにの文房具店

  駅前で天地みている鶏と

  雨をくぐればくぐればあおき蕎麦処


知らない土地に初めて見る風景や匂い、
視覚イメージの拡散と思索の余地、
予定調和しない不安と未知、
自由すぎて、楽しくて、危険なあそび、 そのように思う。

以上

イタリアンガーデン

  • 2010/11/23(火) 22:29:37


坂本龍一と大貫妙子の『UTAU』tour2010コンサートの後、
僕達は 「イタリアンガーデン」 に行った。

各テーブルにキャンドルが灯され、素敵な明かりで美味しい家庭的なイタリアン。
サーモンプレート、生ハムサラダ、ガーリックトースト、ミックスピザ(薄くてクリスピー)、
仔牛肉ラザニア、などをいただいた。とても美味しくておなかいっぱいで大満足だ。
お忍びで訪れる有名人の写真がいっぱい飾ってある、
が、お忍びでこんな相模大野くんだりまで来るとはたいへんだなあ。
50年超の老舗で色々なコネがあるのだろうな。

いいお店であることにには間違いない。何度も行きたいお店である。
近所だし。

以上

鰻 野田岩

  • 2010/11/14(日) 12:11:26

昨日は久々に北京から帰国した友人を囲んで鰻を食った。
食にうるさい朋輩の幹事が「野田岩」麻布飯倉本店の座敷を予約してくれた。
江戸川橋「石ばし」とどちらにしようか迷ったらしいが「野田岩」は子どももOKとのことで
ここに決めたという。わいわいにぎやかな宴となった。

鰻重コースにした。お通し、志ら焼、鰻とふかのひれ入り茶碗蒸、
鰻重(肝吸、香の物、箸休め付)、デザートだ。

お通しに鰻の煮凝り。硬すぎず柔すぎず口に入れてとろける。もう一品は小松菜と鰻の
皮の和え物だと思うが、しゃきしゃきして旨い。お通しにもちゃんと仕事をしているなと
感じさせる。料理はゆっくりでてくる。ビールから白ワインにかえて、おしゃべりしていると
なにやら金物の箱が運ばれてきて、蓋を開けてみれば綺麗な志ら焼である。
冷めないよう湯煎の折りにふっくらと横たわってでてきた。わさびに塩と醤油でいただいく。
ぜいたくに志ら焼をほおばるというこの瞬間に先ず鰻屋の座敷に食す喜びを感じる。
しかもこの時、まだこの後に鰻重があるのだという余裕が志ら焼をなお一層幸せな食べ物
にしている。
鰻とふかのひれ入り茶碗蒸はその名のとおりに贅沢な一品であるが鰻もふかひれもその
姿かたちはあくまでも脇役である。茶碗の底にふかひれを探り当てて掬いあげて口に入れ
たところでさしたる感動は沸かぬ。むしろ鰻やふかひれから染みだした旨みがしっかりと
なじんだ茶碗蒸しの地、格別になめらかな舌ざわりで口中に消えて鼻に抜けてゆく旨みを
こそ味わいたい。
そしていよいよ鰻重である。御飯が見えない敷詰め、美しい褐色の照りに煌いている。
じっくり蒸して余分な脂を落とし、備長炭で焦がさぬように丁寧にたれをからめて焼くという。
たれはからすぎず色はこってりとして固めの御飯にからまって、主役の鰻が早々に姿を
消してしまっても、たれと御飯が十分フォローしてくれる。山椒のちくりと舌をさす刺激が
また格別で、禁断の粉薬でも手に入れたみたいにやみつきである。肝吸の肝もちょっと
一味違う。ごそっと椀の底に沈んでいて、口入れて香ばしいのだ。三つ葉のやわらかな
香りと肝の香ばしさあいまって鰻重コースのクライマックスに落ち着きを取り戻す。
デザートは柿。薄い短冊にカットされて上品なレイアウトで皿に乗ってきた。ほんのりとした
甘みでごちそうさま。

お酒は日本酒よりもワインにこだわる店だった。
店に入ってから知ったのだが、持ち込みは一本までよろしいそうで、二本目以降も千円
出せば良いそうだ。こういうお店のいさぎよい態度が好きだ。
是非他人に紹介したいお店である。おっちょこちょいして醤油こぼしたりする仲居さんも
いるけどそこは味に免じてご愛嬌、笑ってすますか。


ところで次に鰻となれば、実は 浅草「色川」に行きたい。
初めての鰻屋であった。十年以上も前、朋輩達と夏の日の二階座敷で香ばしい志ら焼と
冷酒が忘れられない。

以上