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山海塾  かがみの隠喩の彼方へ ― かげみ KAGEMI

  • 2008/10/26(日) 13:57:01

山海塾  かがみの隠喩の彼方へ ― かげみ KAGEMI

初めて「山海塾」を観た。ワールドワイドでほまれたかいこの舞踏集団については
学生の頃から一度は経験してみたいと思いながら未体験であった。
舞踏、均整の取れた美しさとはちがう身体表現、しかも暗黒舞踏とか言われて、
未知なるダークサイドを垣間見たいという思いはつのった。が、山海塾との邂逅は
ついになく、かわりに勅使河原三郎をフィルムか何かで観て機嫌をそこねた覚えが
ある。きっと山海塾はもっと凄いのだと思ったものだ。

そんな山海塾が僕らの町にやってきた。

かがみの隠喩の彼方へ ― かげみ
2000年にパリ市立劇場で初演。フランスのル・モンド紙に「ダンスの神秘の核心へ
誘う不思議なプロセス」と高く評され、現在まで12カ国のべ45都市で上演を重ねて
いる山海塾の人気レパートリー、と公演の宣伝サイトに記されていた。

水面下に枝をつけた蓮の葉の群れが水面に浮かぶかのごとくステージ表面を覆う。
蓮の葉はひとつひとつが舞台天井から透明なワイヤーでつるされて揺れている。
舞台左手に静かに立ち現れた天児牛夫のソロが終るころ、蓮の葉々は静かに上昇し、
あるいは舞台が水中に沈下してゆく。

舞踏手たちはみな剃髪頭で肌には白くおしろいをはたいて僧侶のように纏う衣装も淡く、
その動きで光と影を演出する。喜びや怒りに開けた口、大きく見開いた目は底なしの穴
となり、おぞましさとこっけいさを演出する。色味といえば、薄暮のオレンジ、薄明の青、
が基調となり、昼と夜あるいは夜と朝との際のつかの間の景色に空間が満ちる。
動きにあわせておしろいが煙り、かすかな香りが漂うてくる。

静謐な水のゆらぐ、かすかな流れはやがて対流しおおきくうねり、ふたたび落着く。
あるいは生命の躍動か、動的なリズムに飛び跳ねた身体は、沈み、死を迎え、さらに
新たな生が誕生し、歓喜に踊ったり、走ったり、すり抜けたり。平和はしかしいつしか
乱れ、ノイズに満ち、身体は穢れ狂気するが、たおやかな風が、たなびくみどりが、
瘴気を吹いて流し、暗闇に暁光さす。ふたたび静謐さをとりもどした水面にはしずかに
蓮の花が咲く。

まあ、音楽も身体の動きもイメージとしては上記のような感じなのは確かなのだが、
書けばなにやらおごそかな芸術性も帯びよう。
光と影の空間演出に、身体という有機的な要素を投入して、機械操作では得られない
静・動を作り出す。演出装置としての身体がうごめいて美しい。それはたしかだが。
しかし、期待しすぎたせいもあろう、さして感動するほどのものではなかった。

それにしても、なんだあの、幕が降りた後のカーテンコールは。
5回にもおよび、指笛まで吹き鳴らされ、手を挙げて拍手し、あやうくスタンディング
オベイションかという熱狂ぶり。
そんなにすばらしいか。エロティックとまではゆかぬも半裸の坊主集団のうごめきは
セクシーだ。その方面のファンもつくだろう。
しかし、そちらの御方、さっきまで寝てたのに、すごい拍手喝采、おかしいだろう。
アイドルか。そんな観客に対して、山海塾の舞踏手たちは皆、僧侶のような
態度としぐさで静かに応える。決して素に戻らない。キャラが立っている。。。

背景知識や同じジャンルの作品経験なしに観て聞いて素直に感動を受けるものと
期待したが残念。
でも、もう一作品くらいは観てみようかな、とも思った。

金柑少年
演出・振付・デザイン:天児牛大(山海塾)
3月7日(土)、8日(日)  東京芸術劇場中ホール



以上

レ・ミレジム 玉川学園前

  • 2008/10/19(日) 23:48:21

近くで評判の良いフレンチレストランがあると知り
妻と食事に出かけてきた。大変おいしかった。
こじんまりと落着いた隠れ家的なレストラン。

前菜に、きのこのテリーヌ〜フォアグラのコンフィを添えて。
松茸やシメジなどなど色々なきのこのテリーヌはそのまんまでも
美味しいが、フォアグラと一緒に、あるいは添えられた味噌や
パプリカ、またはバルサミコと、すこしづつ食べ方をかえて楽しむ。
サラダも、さりげないドレッシングの香りと共にさわやかに食す。

あつあつのパンがこれまたうまい。あとでおかわりした。

北海道産浅蜊の温かいスープ。
浜の風味豊かで、ぺろり。

愛媛産真鯛と秋茄子のアラクレーム。
表面はパリッとポワレされた真鯛に、細く削いだ秋茄子の皮と
イタリアンパセリがからりと揚げて乗せてある。食感が楽しい。
ほんのり甘いホワイトソースがよくあう。ウニのペーストが添えられて
いて、これをソースに混ぜて食すとまた別の食べ物になった。

口直しにパインのシャーベット

仔羊と野菜のロティ〜ハーブのソース
ほっこりしたかぼちゃの上、レアにローストされた仔羊が載る。
あっさりしてやわらかくジューシー。香りたつバジルのソースもよいが、
添えられたフレッシュディルとの相性も絶妙。

デセールにモンブラン、中身はバニラアイスクリーム。
季節感ただようマロンの甘い香りがなめらかで冷たい舌触りの中
にとろける。

私はコーヒー、妻はフレッシュハーブティー。
レモンバームやレモングラスの柑橘系。

最後には、小さな色々なお菓子もでてきて目にも口にも嬉しい。

おまかせして安心。グラスワインにも選択の余地はなかったが、
食材に適したボトルを選んであるのだろう、文句なし。
フルコースで6000円弱、シャンパン、グラスワインの白、赤、と頼んでも
一人一万円に満たない、味よし雰囲気よし、かつリーズナブル。
また行ってみたいと思う。

以上

「ゼロ年代の想像力」 宇野 常寛

  • 2008/10/19(日) 17:11:38

なかなか話題なので買って読んでみた。
「ゼロ年代」的な「ボキャブラリー」の「利用マニュアル」としては、
読むに値する。
が、このサイトにアクセスするようなあなたは、敢えてこの本を買って
読む必要はなかろう。
しかし「ゼロ年代」とは大変な年代なのだな、と感じた。
絶望的な世をいかに生きるかを真剣に語る善意に満ちています、この本は。
新旧の2項で枠組みをせず共時的に世の中を捉え、多様でゆたかな
世界認識が既にある多くのひとびとは別段、絶望してないでしょうが。

ここ数年の批評の言説の不毛さを東浩紀批判とともに問題設定する
のだが、そもそも「批評界」なる業界があるんだな、とおどろいた。
「東 浩紀」というフィクションに根ざした言説は徹頭徹尾「大真面目」
で「東 浩紀」を「ちょっとしたエンタメ」としては読み過ごせない若者の
「プライド」というか、
この本に従って言えば、宇野常寛氏の「キャラクター」がすけすけで、
甘酸っぱい青春小説を手にとってしまったみたい。
第一章からロマンティックで希望に満ちた結論に思いをはせてしまい、
思わず第十六章を先読みしてみれば、想定どおりの結論に、
すなおでうぶでまじめな著者の人柄を感じ、ほっとするとともに赤面。

著者はまず、「新しい想像力」と「古い想像力」の2項対立を恥ずかしげ
もなく提示します。

世の中が「正しい価値」や「生きる意味」を示してくれない。
それでもって「いじけて引きこもる」のが「古い想像力」でこれを体現する
のが例えば「エヴァ」だ。一方で、いじけていては生き残れないからそんな
世の中を「受け容れて立ち上がり」、自分で考え行動する「サヴァイヴ感」
が「新しい想像力」で、これを体現するのが例えば「DEATH NOTE」。
で「新しい想像力」の担い手である「決断主義」者たちの「困難」=
(サヴァヴァルにともなう)「暴力性」をいかに回避するかが、
「本書のテーマだ」との事。

最近流行のケータイ小説は、表現とか文体とかどうでもよくて、要は筋書き
や進行だけを読むことの楽しみにしているもの=物語の「純化」が特徴
だそうです。ここで著者は
「社会の流動性の上昇が逆説的にもたらす物語回帰、とも言うべき、奇妙な
現象」を主張したいそうで、
自己像の「設定」とその承認を他者から得ることでアイデンティティを確保
する存在を「キャラクター的な実在」とよび、

「キャラクター的実在を相対化し、純化された物語を生きることで私たちは
コミュニケーションによる可能性を手にすることができる。自己像の承認を
暴力的に要求するのではなく、コミュニケーションによってその共同体の中
での相対的な位置を獲得することへ―大きな物語が失効し公共性が個人の生
を意味づけない現在、私たちは個人的なコミュニケーションで意味を備給して
生きるしかない。 だが、これは同時に私たちが生きるこの社会は、すべて
がコミュニケーションによって決定されつつある、ということだ。」

たったこれだけのことを350ページかけてやっと語るとは、
本当に「「ゼロ年代」が「問題」にされるだけの価値があるかもしれない
と思った。

「だが、そんな世界に絶望する必要はない。これは同時に自由の拡大でも
あるのだ。やりようは、いくらでもある。少なくともその程度には私たち
の生きるこの世界は、自由であり、可能性にあふれている」
と最後に励ましてくれて、宇野さん、ありがとう!


以上

十時間連続公開シンポジウム!

  • 2008/10/09(木) 00:06:11

文芸批評と小説あるいは
メディアの現在から未来をめぐって


十時間すべて一般公開。
申し込み不要。当日、会場に来い。

【日時】
2008年10月19日(日)
10:00〜20:30(予定)

【場所】
早稲田大学国際会議場(井深大記念ホール)
※早稲田キャンパス18号館→MAP

【出演】(※10月6日現在)
東浩紀/宇野常寛/大森望/千野帽子/豊崎由美/中森明夫/前田塁(+市川真人)/芳川泰久...and moer
(※ほか現在交渉中)

【プログラム】(予定)
ポッド1「文学メディアの現在」(メディアと小説、文芸批評)
ポッド2「日本現代小説の現在」(主として現代作品論および状況論)
ポッド3「文芸(批評)と社会」(小説、あるいは批評と今日の社会)
ポッド4「文芸批評、書評と読者」(批評と書評およびその読者の相関)

以上

Pleasure Vinyl,  "Blue note" 

  • 2008/10/07(火) 01:08:01


Madlibによる"Shades Of Blue"

人気のようですが。


BLUE NOTEをいじるならおれはこっちのほうがすきだな。
The New Groove: The Blue Note Remix Project, Vol. 1


あとBLUE NOTEネタ、akomix的ヘビロテ二枚。めちゃかっこよいよ。

The Blue Note Club Culture


Blue Break Beats, Vol. 3



以上